2001年5月1日号

1.小泉政権の危険なかけ


永田町の理論からすれば、大番狂わせの結果となりました小泉政権誕生ですが、政策を見てみますと、非常に危険な政策を取ろうとしています。

今、掲げている政策を本当に実行しようとすれば、小泉政権閣僚は、命を狙われる事になります。

竹中大臣は、銀行に公的資金注入をしてでも、不良債権処理を行うと述べています。 柳沢長官は、このような公的資金注入は必要ない。
と全く反対の事を述べています。

柳沢長官は、今まで、金融の最前線にて、金融機関が抱える色々な問題点をつぶさに見てきています。
そして、その結論が、【不良債権は、徐々に時間をかけて処理を行い、しかも、処理方法は、債権放棄を基本とする】というものでした。

この場に及んでも債権放棄を行い、大多数の不良債権に苦しんでいる企業を倒産させるのではなく、延命させる政策を取らざるをえないのです。

何故でしょうか?

それは、以前、起こった事件がその背景にあります。
住友銀行名古屋支店支店長が、銃殺されるという事件が数年前にありました。 この事件は、奇怪な経緯を辿りましたが、未だに、真相は闇になっています。

この事件を契機にして、金融機関は、一斉に不良債権処理(回収)から、手を引き ました。

銀行の支店長と言えども、サラリーマンです。
なぜ、サラリーマンである、支店長を射殺する必要があったのか。
金融関係者の中では、この支店長射殺は、一つのシグナルだったと言われています。

これ以上、不良債権回収に手をつけると、今度は幹部が危ないとの。 柳沢長官は、この事情を100も承知のはずです。
ですから、この期に及んでも、債権放棄を主流にする、と述べているのです。

竹中大臣は、今まで机上の論議しかしてこなかった学者です。
この竹中氏が、本気で不良債権処理を行おうとすれば(閣議でそのように発言し、その発言が力を持ってきたら)、恐ろしい事態を招く可能性があります。

小泉総理も、金融を巡る不良債権の本当の事情は知らないはずです。 もし、本気でこの不良債権処理を行なおうとすれば、自民党の族議員を放逐し、そして、族議員とつながっている官僚を追放しなくてはなりません。

これには、内閣を2・3度潰す覚悟が必要です。 そして、閣僚及びその家族には、完全警備をつけなくてはならないでしょう。
海外の不良債権と、日本の不良債権とは、全く次元が違うと言うことを、学者や御曹司にはわからないのでしょう。

新種の<不良債権>について、4月29日付け日経朝刊 に、右記の記事が掲載されています。

1998年10月に、【中小企業金融安定化特別保証制度】 を20兆円設定しましたが、この返済が徐々に始まって きています。 (その後、10兆円増加)

そして、今、何が起こっているか? この特別制度を使った企業の破綻が急増してきているのです。

そして、この破綻した金額は、最後には、国民負担となります。 この特別保証は、横浜銀行の行内マニュアル発覚で問題になりましたが、銀行が、中小企業から、融資を回収する為に使った分が多かったようです。 (即ち、銀行が抱えていた中小企業向け融資のうち、回収したい融資をこの特別保証を使って借りさせ、そして、銀行に返済させ、つけを政府(国民)に回したのです)

これで、回収は、銀行は行わなくて良いことになりました。 そして、今後、数兆円単位の国民負担が出てくるでしょう。

日本にとって、不良債権は、どうにも消せない"膿み"のようなものです。 そして、もはや、手をつけることが出来ないまでもの大きさに増殖してきているのです。

一体幾らの不良債権があるのか、誰もわからないでしょう。

50兆円なのか、100兆円なのか、それとも150兆円なのか?
日に日にこの"膿み"は増殖していっており、今まで1,300兆円もの国民金融資産があるから大丈夫と多くの国民は思っていますが、気がつけば、郵便貯金、簡易保険のように、最終的に融資した先が、破綻しているか、莫大な赤字を抱えた特殊法人だったと分かったとき、国民は、どのような反応をするでしょうか?

戻ってくることがない、貯金・保険となるのです。

石原行革担当大臣は、この郵貯・簡保の闇にスポットをあてるようですが、これは、非常に危険な政策だと言えます。
避けて通れない政策ではありますが、国民の間に、パニックを招く可能性があります。

250兆円もの資金量を誇る巨大な金融機関が、回収できない不良債権を抱えてもがいている姿が、明らかになれば、国民は、一斉に郵貯・簡保を解約するでしょう。

その時、本当の、そして、最後の危機が起こります。

小泉政権は、あけてはならない箱をあけることになるのでしょうか? 恐ろしい事態を招くことになります。