2001年8月1日号

1.崩れ行く日本の安全性(3)


サル化する日本人最近、電車内で、化粧をする若い女性を多く見るようになりました。また、オープンカフェで、道路側のカウンターに座り、化粧をしている女性も、見かけるようになってきています。

また、道端や電車内で、堂々と足組みをしながら地べたや床に座っている若者も多く見かけるようになってきています。
これらの光景に違和感を覚えるのは、30代以上の大人だけかも知れませんが、それでも、最近の若者の異様な光景には、目を覆いたくなる程です。

以前、人類学の専門家と話したことがありますが、この時、このような質問を受けた事があります。
<サルと人間の根本的な違いは分かりますか?>と。

答えは、サルには、【羞恥心がない】というものです。
普通の人間には、羞恥心がありますが、サルにはありません。
ところが、最近の日本人を見ていますと、この【羞恥心】がなくなってきている 若者・大人が多く出てきているように思えます。

極論すれば、人間から【羞恥心】を取れば、サルと同じであると言えるのではないでしょうか?
もっとも学習能力や言語能力は根本的に違いますが、基本的な生命体として歴代の日本人が持ってきたもの、【羞恥心】が、今、死語となってきています。

先般、週刊朝日にこのような記事がありました。
<下着を履き替えない若い女性が急増してきている>
汚いとか、恥ずかしいという概念が、今の多くの10代の若者には無いのです。 これは、学校の教育という次元ではなく、親の家庭のしつけそのものなのですが、これが、全くなおざりにされているのではないでしょうか?

また、先般厚生省から発表されましたが、エイズ発症者が、日本で過去最高を 記録し、年々増加していっています。
そして、驚くべき事に、先進国では、日本だけが増加していっているのです。

ジェノバサミットでは、エイズ対策基金設立が決まりましたが、マイクロソフト会長のビルゲイツ氏は、私財200億円を、別のエイズ基金に寄付しています。
アフリカ等の国々を対象にした基金ですが、将来、日本もこの基金にお世話に なる日が来ないとも限りません・・・。

話を戻しますと、今の若者には、規律とか、しつけとか、羞恥心とかを求める方が、おかしいのではないか? そのように思えるのです。

では、何故、このような現象が今、目だってきたのでしょうか?
私は、現在の10代、20代の若者の荒れ方は、大人に責任があると思っています。
しかも、これは、日本独特の現象として、存在するものです。
若者は、ただ、突然、【羞恥心】をなくしたのではありません。
日本社会が、この【羞恥心】をなくし、それを、若者が受け入れてきた。そう考える方が、自然だと思っています。

公的資金投入を受けても、誰一人として、責任を追及される事なく、年間数千万円の収入を得て、黒塗りの車で送り迎えを受ける銀行の役員達。
刑務所に入っても、給料を貰いつづける国会議員。 汚職を繰り返す役人達。

社会的地位のある大人たちが、この【羞恥心】をなくした結果、上記のような大人を細胞分裂のごとく、作り上げてきたのです。
そして、その行いがマスコミを通じて、若者達に伝わってきた。
これでは、若者達に【規律】とか、【羞恥心】とか、求めても無理というものです。 このような社会を作ってきた我々大人がいけないのですから。

では、この羞恥心をなくした日本社会は、今後どのようになるのでしょうか?

私は、社会としては、<崩壊>に向かうと思っています。
サルの社会でも、秩序はあります。 でも、この日本社会には、秩序が無くなってきているのです。 今、物凄い勢いで、社会が荒れてきています。

そして、犯罪が急増し、特に殺人・強盗が急増してきています。
今後益々人の心は荒れ、経済が悪化し、結果、社会が混乱してくるでしょう。  

経済的には、まだ日本は<含み益>を持っています。
しなしながら、近々日本はこの<含み益>を無くし、借金しか残っていない 単なる、3流国に成り下がる事になると思っています。 その時には、資産家達や大企業は、日本から脱出し、残ったものは、悲惨な 経済・社会の中で暮らす、そのような状態になると思っています。

経済が疲労したのであれば、休ませ、栄養補給を行えば、また、立ち直ります。 社会が荒れた場合には、よほど、強力な手段及び時間をかけないと、立ち直らすことは不可能なのです。

ニューヨーク市が、犯罪の街から再生できたのは、ジュリアーニ市長の強力な 政治力とそして何より、長期的な視点にたった行政能力にありました。
それでも、10年掛かりました。 小さいニューヨーク市でも、10年という歳月が掛かったのです。

今の日本全体を覆う、今後、より顕在化する社会的リスク・混乱は今から手をつけても、10年ではとても終わるものではありません。
何より、日本の場合は、審議会等々を招集して、数年かけて、訳の分からない答申を官僚に書かせて、それからどうするか更に検討する。
これでは、何もしないと同じ事なのです。

今、大学生の教育レベルが大幅に落ち込んでいるとの指摘が、最高学府である東大の総長からなされる時代です。 社会が荒廃し、経済が疲労し、更に、今後の日本を担う学生の能力が落ち込んできている。

そして、出生率が落ちこみ、2007年から日本の人口は漸減していきます。
高齢化社会を迎える日本は、このまま衰退するだけならまだ準備する余裕は ありますが、犯罪の増加・モラルの低下が急激に進んでおり、このまま一気に、社会崩壊という形を取る可能性が強いと思っています。

本当に、"サルしか住まない列島"にならなければ良いと思っていますが・・・。