2001年12月1日号

1.OPECの崩壊


ニューヨークでのテロ後の原油価格の暴落は、多くの専門家の予想を裏切るものですが、ここでは、この理由につき、詳しく解説させて頂きます。

まず、この原油価格の下落で最も損をした国(地域)はアラブ諸国です。
そして、最も恩恵を受けた国は、ロシアと米国です。

ロシア?

ロシアは、産油国であり、輸出国でもあります。
それが、原油安の恩恵など、反対ではないか!と言われる方もいると思いますが、ここで、ロシア通貨であるルーブルの動きを見ていただきたいのです。

原油価格が、17ドルまで急落した日、ロシアのルーブルは、ドルに対して歴史的な安値(30ルーブル)まで、急落しているのです。

原油価格の下落と、ロシアのルーブルの下落は、ほぼパラレルに動いています。即ちロシアは、幾ら原油価格が下落しようが、ルーブルが同じ比率だけ下落していけば、ルーブル建ての収入は全く減らない仕組みになっているのです。

このため、現在の原油価格の下落でも、ロシアは全く影響受けない仕組みになっており、このため、現在ロシアの株式市場は、急騰してきています。
年初の130ポイントから、240ポイントまで、駆け上がってきています。
上昇率はなんと、184.7%にもなります。

また、ここで、何故、原油価格がここまで下落しなくてはいけなかったか?をお話したいと思います。

今回のアフガン報復では、今まで米国に友好的であった<サウジアラビア>が公然と米国に反旗を翻して基地の使用を認めない処置をとりました。
これで、米国は、<サウジアラビア>即ち、OPEC潰しを決断した筈です。 イスラム原理主義に資金を提供する<サウジアラビア>を、窮地に追い込むには、武器はいりません。

原油価格を暴落させれば、良いのです。
<サウジアラビア>は、1バーレル23ドル前後で国家予算を組んでおり、もし、このままの原油価格が続けば、莫大な財政赤字を抱える事になり、政治的な均衡を保つために、お金をばら撒いてきた今の政治手法が使えない状態に陥り、現在の<サウジアラビア>の政権が崩壊する事になるのです。

では、ここで、このように言う方がいると思います。
<サウジアラビア政権が崩壊し、原油輸出が止まれば、世界経済は大打撃をうける>と。

確かに、昔はそうでした。
ところが、今のOPECは、昔のOPECではありません。
世界の原油輸出は、1980年は、4,000万バーレルあり、OPECはこの60%を占めていました。

ところが、2000年を見た場合、劇的に変化していることが分かります。
2000年には、世界の原油輸出は、5,200万バーレルを越えていますが、OPECは、2,100万バーレルに留まっています。

2001年は、40%を切ると予想されています。如何でしょうか?

昔のOPECの面影がないのがお分かり頂けると思います。

<ご参考>
OPEC及び世界の産油量

そして、今後、上記のロシアは、今、急激に産油量及び輸出量を増やしていっています。

ブッシュ大統領は、ロシアのプーチン大統領と、4日間に亘り、 会談を行なっています。

何を会談したか? 私は、ロシアと米国(そして、イギリス)で、世界の原油市場を支配する為の会談だったと思っています。

日本の何も分かっていない総理大臣が、ブッシュ大統領と会談 して、友情が芽生えたなどという寝言をいう次元とは全く違ったレベルの会談が行なわれているのです。

今後の石油情勢そして、世界経済を見る上では、若いながらも、旧KGB出身の切れ者のプーチンロシア大統領は、ブッシュ大統領と共に、最も重要な人物になると思います。