日本の財政赤字は一向に減りません。新規国債発行額も年間30兆円を越えており、米国とほぼ肩を並べる物凄い水準にまで達しています。
なんだ、米国と同じなら大したことはないではないか?と謂われる方もいるかも知れませが、日本と米国とでは経済規模が違いすぎるのです。
| 米国のGDP |
1,300兆円 |
日本のGDP |
500兆円 |
日本の経済規模は米国の半分以下しかないのです。
米国の財政赤字が36兆円であれば、日本の財政赤字は15兆円以下でよいことになるのです。
にもかかわらず、日本の財政赤字は米国と肩を並べる物凄い数字となっており、借入金等を入れれば、日本の借金は米国を越える世界一の借金国になるのです。
しかも米国はイラク戦争で数兆円(最大10兆円)もの臨時の出費を計上した後の数字でこれなのです。
もしイラク戦争での出費を削減すれば米国の財政赤字は20兆円台になるでしょう。日本は削るところなどありません。
ここでは、もっと日本の国債について解説させて頂きたいと思います。
まず、以下のグラフ3-1をご覧ください。

<グラフ3-1> |
このグラフは国債保有状況調べです。
2005年3月末時点ですが、政府関係だけ(日本銀行・財政投融資資金・郵貯・簡保等)で360兆円近い国債を保有しているのがお分かり頂けると思います。
日本国政府が発行している国債の半分以上を、実は政府関係が保有している構造がここにあります。
本来ならこのようなことがありえないはずですが、
<政府が国債を発行する → 政府の 他の部門がこの国債を購入する → この購入した国債を担保に借金をする → 外貨を購入したり、道路・橋を作ったり公共事業に資金を投入する>
といった図式が出来上がっているのです。

<グラフ3-2> |
次に、個人向け国債の発行額をご覧ください。
(グラフ3-2ご参照)
急激に増えてきているのがお分かり頂けると思います。
そしてこの国債につき先日このような投稿がありました。
【戦時中の国債紙切れ同然に】(7月9日付け朝日新聞)
この投稿をされた方は71歳の岐阜県にお住まいの方ですが、このような内容を投稿されていました。
「1940年発行の額面80円の国債があります。父が残し歴史を証明するものとして保管している。今の価値にして30万円くらいでしょうか。
今わが国の借金は国、地方合わせて700兆円を超え年間予算の10倍にもなろうとしています。
担保のないものは歴史が証明するように、いずれ暴落します。このままでは国債、地方債の償還は到底不可能で、いずれ価格の暴落か超インフレで棒引きせざるを得なくなるのではないかと心配です。日本沈没を防ぐため、この危機を自分の問題にして真剣に考えたいものです。」
そして、今度も同じ朝日新聞ですが、7月15日付け夕刊には以下のような記事が掲載されていました。
「1929年(昭和4年)、米国に端を発した恐慌は瞬くうちに世界に飛び火し、39年に始まる第2次世界大戦の切掛けをつくった。この間、世界はすさまじいインフレーションに襲われた。私の家内の父親も、第2次大戦が始まるや、何代も続いた大阪船場の繊維問屋をたたみ、当時の金にして10万円の国債に換え、故郷の滋賀県に帰って悠々自適の生活に入った。折にふれて子供たちを集め、10万円の国債を見せながら『これで子々孫々、生活に心配ない』と訓示をたれていたという。サラリーマン世帯の平均収入(月額)が122円の時代である。国債の6%の利息(注:年間6,000円:月額500円)は自適の生活をあがなうには十分すぎる金額であった。
(中略)
中東をはじめ、世界にはきな臭い匂いが漂っている。日米政府はともに巨額の負債を抱えて国債を買い支える誰かを待っている。現在の世界の政治経済状況は、余りに1930年代のそれに似ていると驚かされるばかりだ。リスク経営の舵取りの難しい時代が迫りつつある。」
この2つはたまたま偶然に登場したのかも知れませんが、それにしても、岐阜県の方は無職とされていましたから引退された方なのかも知れませんが、もう一つの記事を書かれた方と見方は完全に一致しています。
ちょっと目を凝らせば、今の国の借金の恐ろしさには身を震わせている方がいることが分かります。

<グラフ3-3> |
個人向け国債の発行が急増してきており、すでに個人は直接的に15兆円余りの国債を保有し(グラフ3-3ご参照)、郵貯簡保を通じて間接的に160兆円余りの国債を保有している今、いつ政府が牙をむくかも分かりません。
『明日、国債は償還できません、郵貯・簡保も解約できません』と言われましても、何ら不思議ではないのです。
上記2つの投稿・記事は、今後起こりうる破綻を予見しているとはいえないでしょうか?
半年前であれば、このような投稿・記事は没になっていたはずですから・・・。
そして、本題です。
米国の金利が5%を越えるところまで上昇した場合、いつまで日本が低金利を維持できるかという問題があります。
日米金利差からすれば、物凄い資金が日本から米国に流れ込みますから、大方の予想に反して為替相場は急激な<円安>に振れることになります。
そして国債相場は急落し、金利は跳ね上がることになります。
年利5%を越える国債利回りということも十分ありえるのです。
700兆円を越える国債発行では5%の利息なら利払いだけで35兆円にも達します。これだけで税収が殆ど吹き飛びます。
元本の償還を入れれば税収を全て国債費に回しましても、まだ足らないという事実上の破綻状態に陥るのです。
そんなことが起こるとしても、まだ先の話だろう?と思っておられる方も多くいると思いますが、一旦金利が上がり始めた場合、とても止めることなど出来ないのです。
背後に数百兆円もの<国債現物>と数千兆円もの<国債デリバティブ>が控えているからです。
株式であれば、10億円、20億円の買いを入れれば何とでもなりますが、兆円単位の取引がある国債市場ではそうはいきません。
一旦動き出せば、なるようにしかならないのです。
米国金利が本格的に動き出せば、恐ろしい破壊が一気に襲ってきます。
どこまでこの動きに金融市場が耐えることが出来るでしょうか・・・。
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