Vol.42 Sep/ 1/2006


4.投資哲学(国を信じるな)


『国を信じるな』と投資哲学を貫いた相場師がいると報じられていますが、この人物は今、ネット取引では一世を風靡しています松井証券を創設した松井房吉氏です。
同氏は、このように述べていたと伝えられています。
【国を信じるな】

同氏は書画骨董には興味はなく、金(ゴールド)やダイヤ、債券、株券を沢山持っていたそうですが、ダイヤ等の宝飾品は国に供出させられ、債券は全てパーになり、結果、上記のような【国を信じるな】という哲学を構築したようです。
右記の紙幣の写真4-1をご覧ください。 <無効にされた紙幣です。>

円金貨と同等の価値を持つとされた紙幣ですが、結果この約束は反故にされ、単なる紙切れにされたのです。この時の発行母体は今と同じ【日本銀行】です。
1946年3月2日に一斉に“紙切れ”にされたのです。
どれだけ膨大な“紙切れ資産”を構築しましても、政府が紙幣を廃止してしまえば、全てがパーになります。
希代の相場師であった松井氏ですが、相場・勝負には勝って富を蓄えましても、政府が紙幣を無効にし、財産を押さえてしまえば何にも残らないということまで読み切れなかったのです。

そして、1946年3月以降、物凄い価値を持ちましたものは、この松井氏が興味なかった【書画骨董】だったのです。
政府は、【書画骨董】を徹底して接収しなかったからです。
このため当時、膨大な【書画骨董】、特に世界で通用する名画・骨董品・稀少金貨・稀少銀貨を集めました旧財閥系資産家は、金融資産を株等で構築していました新興財閥が没落していくなか、その富を急増させ、今の地位を構築したとも言われています。

更には、この旧財閥系資産家達は<円紙幣>は危険であるとして、ドル等の外貨で膨大な資産を保有し、また資産を海外に疎開させていたとされているのです。
政府が捕捉できない海外資産を保有しておく手段を当時の旧財閥系資産家は知っていたのです。円資産が無価値になるという情報が漏れていたのかもしれません・・・。

では、今はどうでしょうか?
当時と同じ方法では、資産を守ることはまず不可能になっています。
なぜなら、海外に資金を送金しファンド等で運用している資産家が多くいますが、送金の事実は全て当局に捕捉されており、しかもマネーロンダリング規制等で各国間の連絡が密にされており、たとえスイスに資金を疎開させましても、送金の事実を当局が知っていれば財産課税という手段が取れるからです。

『迂回送金なら大丈夫!』というご指摘もあるかも知れませんが、今は各国間で情報が共有されており、調べれば即分かるようになっているのです。
金融資産は一番把握しやすく、かつ接収しやすいのです。
これは昔も今も変わっていません。
国を信じて資産を無くすか、それとも自分の資産は自分で守るのか。
どちらを取りましてもその方の自由なのです。

歴史は繰り返す』という諺と、『歴史に学ぶ』ということは、非常に重い言葉だと言えるのではないでしょうか?



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