Vol.54 Mar/ 1/2007


3.地球温暖化と個人が出来ること


今、世界的に地球温暖化が叫ばれていますが、日本は政府・マスコミの動きも鈍く、国民の間に、『温暖化?関係ないよ。一部の者がスーパーのレジ袋をやめたり、環境に“やさしい”車や家電製品に買い替えればいいのではないか?』との認識が多いのではないでしょうか?

事実、スーパーのレジ袋を止めたとして一体どれくらいの温暖化ガス削減になるのか、誰も検証していません。省エネ電化製品やハイブリッド車に買い換えた際、今使っている電化製品や車を処分する必要がありますが、その際に出る温暖化ガスは一体どれくらいなのか誰も検証していません。工場で省エネタイプの電化製品を作ったり、その製品を梱包する際にどれくらいの温暖化ガスが出るのか、誰も検証していません。

新しい電化製品を工場から家電販売店、そして家電販売店から購入者の自宅まで配達するのにどれくらいの排ガスが排出されてどれだけの温暖化ガスが出るのか誰も検証していません。量販店でこれら省エネ製品を販売する際に、これでもかという位明るい電気を灯していますが、物凄いエネルギー使用量であり、このエネルギーを作り出すのに一体どれ位の温暖化ガスを出しているのか誰も検証していません。
新しい製品を買うという行為は、反対に<温暖化ガスを出す>という行為につながるわけであり、買い替えで総合的にどれくらい温暖化ガスが削減されるのか全く検証されていないのです。

ただ、イメージだけで<省エネ・CO2削減>と言われているだけなのです。
広告会社・経済研究所・家電メーカー・自動車メーカーからすれば、温暖化であれ何であれ製品が売れればよいわけであり、総合的にどれだけの温暖化ガスが削減されるか明確な検証が全くされずに、ハイブリッド車や省エネ家電が良いと言われ続けているのです。
『何だ、そんなことなら、温暖化ガス削減はしないでおこう』という方もいるかもしれませんが、それは大きな間違いでもあります。
いまや地球規模で環境に異変が起こっており、このまま我々人類が何もしなければ、地球自体が崩壊してしまい、一人も生きていけない事態になるかも知れないのです。

2月7日付けニューズウイーク誌はこのようなタイトルで警鐘を鳴らしています。
地球温暖化 破局まであと7分:温暖化破局のXデー
さらに、以下の写真をご覧下さい。


<写真3-1:1906年ローヌ氷河>


<写真3-2:2003年ローヌ氷河>

これは、スイス・ローヌ氷河の1906年と2003年の写真です。
同じ場所かと思うほどの光景に驚きます。
勿論、この氷河の後退・消滅は、地球の本来の動きとでも言えるものですが、それにしましても、今の後退スピードは異常な速さとなっているのです。
地球温暖化問題では、世界の伝道師とも言われるゴア米国元副大統領は、講演等で天秤の片一方に【黄金の延べ板(富)】、もう片一方に【地球】を乗せ、さてどちらが重要か?と問いかけています。
富(金の延べ棒)は欲しいけれども、地球が無くなれば<金の延べ棒>など意味はなくなってしまう・・・。

本来なら、この二者は天秤に掛けるものではないのですが、我々人類は富を得るために日々地球環境を破壊してきたのは事実なのです。
そして、いまや地球が悲鳴をあげて各地で甚大な自然災害を引き起こしてきており、徐々に自然界に限界が迫ってきているとも言えるのです。

右記の写真3-3は、2月22日南米のボリビアで洪水の被災者が避難する様子です。

今までに30人以上が死亡し、35万人が家を失ったと同国の通信社は伝えていますが、この洪水はエルニーニョ(温暖化)の影響だとされています。
この3ヶ月間豪雨が続いており、もし堤防が決壊すれば『絶望的な状況に陥る』とベニ県知事は述べ、更にはこのまま行けば農作物が全滅するとも伝えられています。では、この洪水は特殊な事例なのでしょうか?
ここで過去の大規模洪水の数の推移を表したグラフをご覧に入れます。(ご参照:グラフ3-4)

如何でしょうか?
地球規模で洪水が急増してきているのがお分かり頂けると思います。
中でもアジアでの洪水が急増してきていますが、もし日本でこの洪水が起こればどうなるでしょうか?都市なら麻痺状態に陥るでしょうし、農村であればがけ崩れ・畑の冠水・土砂崩れが起こり、農作物のみならず人的被害も甚大になるはずです。

また、ここで更に驚くべきグラフをご覧に入れます。(ご参照:グラフ3-5)
このグラフは、1958年からのCO2濃度の推移ですが、物凄い勢いで増えています。そしてこのグラフと洪水発生件数のグラフを併せてご覧ください。
CO2濃度の増加と共に大規模洪水が増えてきているのが明らかに分かります。
我々が放出している二酸化炭素が大規模洪水を引き起こしているのがお分かり頂けると思います。

ここで一つ<投書>をご紹介したいと思います。
この投書は、トラック運転手からのものですが、【駐車区域ではエンジン切れ】という投書に対して反論しているのです。
この運転手は47歳ですが、過酷な労働になっており、『サービスエリアで同業者と話をすると皆いつも疲れきっている』と述べ、『運転手は体を休めるために仮眠をとることがありますが、夏は冷房、冬は暖房のエアコンをつけっ放しにします。冷凍庫などは荷物の関係からエンジンを止めるわけにはいかない』と指摘しています。

確かに運転手は車内で寝泊りしているわけであり、エンジンを切れば、冬であれば暖房が無くなり寝れるわけありませんし、夏も冷房が無ければ寝れるはずもありません。
また、冷蔵品・冷凍品を運搬している車であれば、エンジンを切れば、荷物が駄目になってしまいます。そして、このように締めくくっています。
何十年後かの地球も大切ですが、今日、明日の自分の家庭の生活の方が大切なのです
この最後の言葉は、非常に重いものがあります。
環境のことは分かっているが、今の生活、家族の生活もあるのだ、と言いたいのです。
どんなに素晴らしいことを言いましても、今の生活が破綻してしまうのであれば、将来のことなど考えることなど愚かしいことになります。

では、一体どうすればよいのでしょうか?
我々の日々の生活への影響を最小限にしながら地球温暖化を防ぐ方法はあるでしょうか?
はっきり言えることは、個人個人が温暖化ガスを減らすことなど微々たるものだと言えることです。
例えば、車一台が放出するCO2などは、一般家庭が放出するCO2に比べれば正確な数字はありませんが、微々たる量だということが感覚的にも分かります。
また、一般家庭が節電するより、日本国中にある巨大ネオンサインを全て消すほうが遥かに有効なことであることは言を待ちません。
また、一般家庭が節電するより、工場・ビルの節電を徹底させる方が遥かにCO2削減効果はあるのは明らかです。

今、日本のマスコミ等をみますと、個人がCO2を減らせという方向に向かっていますが、これは間違いなのです。減らすべきは企業・工場・一般車なのです。
例えば、日本国中のネオンサインを一日おきに消灯した場合のエネルギー削減効果は膨大になります。都会で運転されている車のうち、例えば、奇数番号・偶数番号で区別し、一日おきに奇数・偶数番号の車の運転を禁止するということにすれば、理屈上は排ガスを撒き散らす車は半減し、これら車から排出されますCO2は半減することになります。
事務所ビルであれば、エレベーターを半分停止し、ビル・玄関・廊下の照明を半減し、残業も一切禁止する日を週に3日でも設ければ、電力消費は大幅に減ります。
放送局も夜11時以降の放送を全面停止すれば、テレビを見る人も少しは減るでしょうし、放送局が消費しています膨大な電気も減ります。
これらを実行するだけで、火力発電所の2つや3つは必要なくなるかも知れません。

勿論これらのことを実行すれば、国民生活・企業活動はかなり制限を受けますが、温暖化ガスの削減は半端なものではないはずです。
国民一人ひとりの削減も必要ですが、国・企業がまず率先して温暖化ガス削減に取り組むべき時に来ています。
世界は物凄い勢いで温暖化防止に向けて走り出していますが、今、日本は温暖化ガス削減で最も遅れている国になりつつあり、以下の【速報】でお知らせしました通り、温暖化ガスを増やし続けている愚かな国は<日本>なのです。

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【経済速報】2月21日(月)10:20
<温暖化問題:EUは30%削減へ>

EUは、温暖化問題で、CO2等温暖化ガスを1990年比で、全体で20%削減、先進国に至っては30%もの削減をすることを正式合意しています。物凄い勢いで、CO2削減へ舵をきっています。
では、日本は?
京都議定書で決められた日本の削減目標は<6%減>ですが、今のところ日本は<+8%>と増やし続けているのです。世界は真剣に温暖化を議論し懸念している中、日本だけが、口では環境先進国として京都議定書を主導したと胸を張っている政治家・官僚はいますが、実態はこの有様なのです。このような中、昨日も配信しましたが、世界は物凄い勢いで温暖化ガス削減に突進していっており、このままいけば日本は世界から無視され、蔑まれることになるのは必至です。
まず、国会では世界中で評判になっている『不都合な真実』という映画を上映して全ての国会議員がもっと温暖化問題につき勉強するべき時期に来ていると言えます。
国会で不毛のお金の議論をしている間に、地球が狂ってしまい、国会が水没してしまうということになっても良いのでしょうか?米国ではCO2排出を減らすには、航空便を減らすべきではないかとの議論も進んできているのです。
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日本が京都議定書に胡坐をかいて排出権取引を使うことでCO2削減目標は達成できると、たかを括っていますが、世界はこの排出権取引自体を無効にしようと動き出しています。このような“架空”のCO2削減など認めないということなのです。
実効ある温暖化ガス削減だけを世界は認めるということに世界は動きだしており、もしそうなれば、日本は世界で最も卑怯な取引をした国として世界中から笑われることになるのです。今こそ、架空の数字合わせではない、本当の意味での温暖化ガス削減に国家挙げて取り組むべき時にきています。

さもないと、日本は世界(地球)から追放されるかも知れません・・・。



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