Vol.56 Apr/ 1/2007


4.どちらが重要?


3月23日に同時に発表されました2つの記事を並べてみますと、一体どちらを信じたらよいのかという記事となっていました。

1つは<2006年末国の借金 最悪の832兆円>、もう1つは<2006年末家計の金融資産過去最高の1,541兆円
この2つを見比べますと、国は借金が積み上がって借金にあえいでいる中、個人は丸々太って悠々自適という図式になります。
しかも、国の借金は832兆円であり、地方の借金200兆円を加算すれば、すでに国・地方の借金は1,000兆円を突破したとこの報道は伝えているのです。
(実際には、これに年金債務があります。今財務省は年金債務を国の債務に加算していませんが、実際には加算するべき債務であり、もし、年金を支払う意志が国にあるのであれば、国・地方の借金総額は1,500兆円を越えてしまいます。)

ここで、今一度おさらいをしておきたいと思いますが、よく専門家も間違いますが、国民金融資産=国民が持っている現預金ではないということです。
この記事でも報じていますが、国民が保有しています現預金は778兆6183億円に過ぎないのです。
では、他は?

投資信託

66兆円

株式

183兆円

国債

32兆円

保険・年金

399兆円

83兆円

国・地方の借金が今や1,000兆円を超え、しかも年々30兆円余りが増え続けている今、仮にこのペースで借金が増え続けた場合、10年後には一体どうなるでしょうか?

借金総額が1,300兆円を超える中、現預金(10年後800兆円)に国債(同35兆円)、投信(同70兆円)を加えましても900兆円にしかならず、400兆円不足することになります。保険・年金は高齢化もあり350兆円にまで減少しているはずですが、この国民の保険・年金をも国が没収しましても、まだ足らないという事態になりかねないのです。

しかも、上記の計算は、あくまでも現行の低金利が続くという前提になっているのです。仮に金利が今よりわずか3%でも跳ね上がった場合、毎年の金利支払い等だけで、30兆円も利払い(国債費)が増えてしまうのです。
今の21兆円の国債費に更に利払いだけで30兆円が加算された、年間50兆円を超える<利払い費(国債費)>となるのです。
税収が50兆円の今、仮に税収がバブル期のような60兆円にまで増えたとしましても、税収の殆どが<借金の利息>で消えてしまうというまさに破綻状態に陥るのです。

国滅びて山河あり、という風情も良いですが、国民はどうやって生きていけるでしょうか?
今回の報道は、まさに両極端を一度に行ったわけで、どちらの報道を取るかによって、日本経済の見方は180度変わってしまいます。
さて、どちらを取るのが正解なのでしょうか?



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