Vol.59 May/15/2007


5.トピックス


(1)エルメスが不振?
世界的なブランドである【エルメス】は、東京の銀座で巨大店舗を開店させてきていますが、1−3月期の日本での売上高が8,970万ユーロとなり、<11%>も減少していると発表になっています。日本の景気は良いとして有名デパートでも【エルメス】は店舗の改装を行ったり、販売面積の拡大を行ってきましたが、完全にあてが外れた形になっているのです。
日本の消費の現場に何が起こっているのでしょうか?
マスコミでは、『高級品は売れている、団塊の世代は高級品を消費する』と盛んに宣伝され、デパートや専門店等は高級化を進めていますが、本当に団塊の世代は高級品を購入するでしょうか?
確かに上場企業や公務員には2,500万円以上の退職金が出ますが、年金手取り額が減少する中、数点の高額商品は購入するかも知れませんが、マスコミ等で取りざたされていますような数十万円のバックや10万円以上のカシミアのセーターや靴を買うでしょうか?
ある調査では、現役世代に買っていたブランドの第1位は<ユニクロ>であり、今後も購入するブランドは<ユニクロ>となっているのです。
<ユニクロ>から一気に<エルメス>にジャンプするとは到底考えられないと思うのですが、調査会社は違った調査をしているようです。

先般、華々しくオープンしました【東京ミッドタウン】も、週刊誌報道では店にはお客は入っていないということであり、買い物袋を持ったお客は殆ど居なかったようで、一過性の人気に終わってしまうのかも知れません。
今の景気好調報道は完全に作られた報道であり、国民の大半は収入減や年金不安に遭遇しており、浮かれた気分で消費など出来ない環境になっているのです。 (ご参照:グラフ5-1・5-2)

月曜日などは東京だけで多いときには数件の電車への飛び込み自殺がありますが、追い詰められた国民が徐々に増えてきているのです。
また、<株高>と言いましても、多くの個人が手を出しました<新興市場>の株価指数は年初来安値を更新してきており、悲惨な銘柄も多くなってきています。

 

 

現在

年初来高値

下落率

USEN(ヘラクレス市場)

910円

1,332円

31%

インターネット総研(マザーズ)

16,150円

84,900円

80%

アスキーソリューションズ
(ヘラクレス市場)

114,000

234,000

48

ネットエイジ(マザーズ)

157,000

292,000

46

≪消費好調、株高≫は確かにそのような部分もあることはありますが、一般に報じられています内容とはかなりかけ離れている面も多くあるということを理解しておく必要があると言えます。

(2)水増しが消えて幻の人手不足が・・・
有効求人倍率が急降下してきていますが、これにはカラクリがあったことが明らかにされています。『請負求人数の激減』です。
今まで、日本の雇用情勢は逼迫してきており、このため有効求人倍率が上昇してきていると報じられてきていましたが、実際には架空の求人が膨大な数字になっており、これが異常な求人倍率に反映されていたということなのです。
今、この架空求人が是正されてきたために、一気に求人倍率が落ちてきたということなのです。この上昇する有効求人倍率を見て、企業経営者の中には、『人手不足だ、もっと余裕をもって人を採用しておこう』ということで求人を増やしてきたところもあるでしょうが、実際には人手不足はかさ上げされた架空数字だったわけであり、今後“溜め込んだ”労働者を放出する企業も出てくるはずです。
中には、新卒を余分に採用した企業も多いでしょうが、今後解雇される新入社員も出てくるかも知れません。
『統計とはこのようなものである』ということをしっかり捕らえておきませんと、大きな間違いをすることになりかねません。(ご参照:グラフ5-3)

(3)これが今の日本人?
<事件内容>
3歳の長男に貸しビデオ店内で販売用DVDを盗ませたとして富山県警は富山県に住む母親(29歳)と同じ年の姉(29歳)、そしてその母親(55歳)を窃盗容疑で逮捕した。
盗み役 : 長男(3歳)
指示役 : 母親(29歳)、姉(29歳)
見張り役: 55歳の母親

なんとも恐ろしい事件と言えるのではないでしょうか?
アフリカ等の社会では、生きていくためにこのようなことはあるでしょうが、今の日本でこのようなことがあって良いのでしょうか?
いったい日本社会はどうなってしまったのでしょうか?
学校崩壊、教育崩壊、モラルの崩壊等々が言われていますが、今や日本はこのような事件が起こる社会になってしまったのでしょうか?

(4)インドの経済成長が?
日本人によるインド株投資はとどまるところを知りませんが、肝心のインド経済はさぞかし高成長をしていると思いきや、インド産業連盟とインド中央銀行は2007年度の経済成長率を<8.5%>として、現在の9%成長から減速するとしているのです。中には8%を割り込むとの予測を出す民間団体もあり、今後インド経済はどこまで減速するのか議論がされることになるでしょうが、それでも日本人の投信を通じたインド株買いは続くのでしょうか?
それとも、壮絶なバブルがはじけるのでしょうか・・・

(5)空前の投資ブーム?に隠された秘密とは?
今、マスコミ等で空前の投資ブームと言われますが、個人は株・投信を本当に買っているのでしょうか?

個人 :

2007年1−4月期

1兆3,650億円の売り越し

投信 :

2007年1−4月期

4,419億円の売り越し

『何で?』と思われるかも知れませんが、これが事実なのです。
【日本株投信】で見てみますと、これほど株が上がってきている今でも、4月末の投信残高は10兆円を割り込み9兆9,850億円となっているのです。
個人も物凄い売り越しを記録しており、個人は日本株から逃げ出して入ると言え、これでは店頭株等新興株の暴落も分かります。個人は株の怖さに慄いているのです。
では、全ての投信が悪いのでしょうか?
違います。リスクの高い外国株投信等に物凄い資金が流れているのです。この1−4月期の海外株投信への資金流入額は2兆5,546億円にも達しており、4月末の外国株投信残高は10兆5,479億円にも達しているのです。(ご参照:グラフ5-4)

では、この外国株投信ですが、個人が勝手に選んで購入しているのでしょうか?
以下の数字をご覧ください。

<信託報酬>

 

新興株

1.86%

世界株式

1.48%

日本株

1.35%

この信託報酬は、個人が負担する経費なのですが、今最も人気の高い<新興株>投信の経費率が最も高くなっているのがお分かり頂けると思います。
この信託報酬は、購入した個人が全て負担する決まりになっていますが、では、
その先は? 
半分が販売会社の収入に割り振られるのです。
仮に、100億円の新興株投信を売った銀行があるとします。
販売手数料を3%としますとこの銀行は3億円の販売手数料が入り、更に、信託報酬バック分として<9,300万円>が毎年入ることになるのです。
仮にこれが1,000億円となれば・・・。
銀行としてはこれほど美味しいビジネスはありません。
なにせ、リスクなしでこれだけの収入が定期的に入ってくるのですから、銀行としては積極的に信託報酬の高い投信を売ることになるのです。
結果、うまみの少ない<日本株投信>は解約の対象になるということになるのです。



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