Vol.75 Jan/15/2008


4.稀少金貨情報(グレード及び価格につきまして)


最近、稀少金貨のグレード毎の価格につきご質問が参っておりますところ、実例を交えましてご説明させて頂きたいと思います。

ここでは、米国金貨史上最も美しい金貨と言われます$20 High Relief 金貨を取り上げてご説明させて頂きます。


<$20 St.Gaudens金貨>

<$20 High Relief金貨>

この$20 High Relief金貨は、1907年にだけ鋳造された極めて特殊な金貨であり、わずか11,250枚しか作られていません。
この特殊さとは一般の金貨は平面的なデザインとなっておりますが(これを一部の専門家はLow Reliefと称してもいます)、このHigh Relief 金貨は彫が深くデザインが高く浮き上がっているのです。
このようなHigh Relief 金貨は鋳造が非常に難しくこの為、1907年に11,250枚が鋳造された段階で鋳造が中止され、以後一切鋳造されておらず、専門用語で“One Year Type”(一年のみ鋳造)と言われる特殊な金貨となっているのです。
この特殊さもあって、$20 High Relief 金貨は世界中の資産家・コレクターから最低一枚は欲しいとの要望が強くこのため価格も鑑定枚数に比べ高くなっているのです。

また、この$20 High Relief 金貨には一部の資産家の間にだけ言われ続けてきましたある『言い伝え』があります。

このHigh Relief 金貨を持つものは富をつかみ富を維持しそして社会を導く』と。また次のようにも言われています。
そしてこのHigh Relief 金貨を利殖のために手放す者は今までの富を全て失いHellに転落する』とも。

どのような時になりましても、High Relief 金貨の価値は上がり続けており、経済的に苦境に陥った際に救ってくれるのもこのHigh Relief 金貨といわれており、資産防衛の最後の砦にもなるのがこの$20 High Relief 金貨なのです。

また、わずか11,250枚しか鋳造されなかった金貨がこの$20 High Relief 金貨であり、ある専門家はこの11,250枚という数字に注目しています。
即ち、これは社会が苦境に陥った際に救う役割を担っている人数ではないか、と。
11,250人がその役割を担っているとしたら所有している方にはそれは大変なことになりますが、今、このHigh Relief 金貨で傷が少なく(MS65以上)完璧な状態で残っていますのは300枚もないと言われており、この中で汚れも全くない(AAA級品)ものは100枚もないとされているのです。
社会が苦境に陥った際に動くに値する人間が11,250名、その中でも選ばれた者は100名もいない。これは単なる≪迷信≫かも知れませんが、$20 High Relief 金貨をお持ちの方は頭の片隅にこの言い伝えを覚えておかれてもよいと思います。

ここから本題に入りたいと思いますが、この$20 High Relief 金貨のグレードと価格を見ていきたいと思います。
まず、グレード毎の価格をご覧ください。

MS65

$ 55,000

※PCGS社指標価格

MS66

$ 92,000

MS67

$185,000

一ランク違えば凡そ2倍価格が開いているのがお分かり頂けると思います。
そこでこのような問題が起こります。
MS65と鑑定されている中に、一ランク下のMS64に近いMS65と一ランク上のMS66に近いMS65が存在している筈でありこの価格が同じではないはずだと。
そうなのです。
同じMS65に鑑定されていながら価格が2倍も開く金貨が存在しているのですが、その理由は一ランク下のMS64に限りなく近いMS65と一ランク上のMS66に限りなく近いMS65が存在しているからなのです。

言い換えますと<MS65.0>と<MS65.9>は鑑定上はMS65となってはいますが価格は2倍違うことがあるのです。
例えば、MS65.9で汚れがないAAA級品は凡そ$90,000で取引がされていますが、これは事実上MS66と同じ価格となっています。
実際にはMS65.7以上はMS66と同じかそれに近い価格で取引がされているのです。
では、MS65.0は?
限りなくMS64に近いMS65で汚れがあるものは$48,000以下で取引がされている事例もあります。そのような下のグレードの金貨を誰も欲しがらないからです。

まとめてみますと、以下のようになります。
MS65という鑑定には実は10段階あり、この段階の上位は一ランク上のグレードであるMS66並みの価格で取引がされているのです。
以下はそのサマリーです。

*価格はいずれもAAA級品

MS65.

$48,000

MS65.

$90,000

MS65.

$48,000

MS65.

$90,000

MS65.

$48,000

MS65.

$90,000

MS65.3

$50,000

MS66.

$90,000

MS65.4

$52,000

MS66.

$90,000

MS65.5

$60,000

MS66.

$90,000

MS65.6

$65,000

MS66.3

$100,000

上記の黒太字の部分は同じ価格となっていますが、注目して頂きたいのは<MS66.0−MS66.3>なのです。
$90,000で同じ価格となっているのがお分かり頂けると思います。

即ち、この<MS66.0−MS66.3>は一ランク下のMS65から再鑑定後、アップグレードされてきた金貨の受け皿とも言えるグレードとなっており、価格は同じとなっているのです。
で、そのMS66は買う価値があるか?ですが、弊社は購入しません。
単なるMS66として買うのであればそれもよいのかも知れませんが、弊社はMS66であれば一ランク上を狙えるMS66しか購入していないからです。
即ち、上記のランクでいえば、MS66.7以上になります。

実例を挙げますと、2002年に弊社よりHigh Relief MS65を720万円にて購入された方がこの1月10日に開催されましたオークションに出品されたのですが、担当しましたオークション会社の専門家はこのように述べていたのです。
『MS66に上がる確率は20〜30%』と。
結果は一ランクアップのMS66になったのですが、これは詳しく言えばMS66.0に相当するもので典型的なMS66となっていました。
落札結果は$103,500(円貨では1,150万円)になり上記の指標価格で言えばMS66.3に相当する素晴らしい落札結果となりました。

このMS65は弊社の販売価格が720万円でしたので売却された方は、株式市場がガタガタになっている今、十分な利益を上げられた訳ですが、今回の落札結果をみますと今後High Relief 金貨の価格が上昇することを示唆しています。
何故なら今回$103,500にて落札されましたMS66は典型的なM66.0にも拘わらずMS66.3を超える価格で落札されており、市場は明らかに上を見始めているということになるからです。
恐らく、MS65、MS66、MS67は5〜10%上昇することになるでしょうが、しばらく動いていなかったHigh Relief 金貨の価格が動き出せば他の$20金貨に波及するのは必至であり、2008年後半にはHigh Relief 金貨及び他の$20金貨の価格は今よりかなり高い水準になっているのは必至だと言えます。

上記の通り、稀少金貨の価格は極めて細分化されており、また価格も理論どおりに動くということがお分かり頂けたと思います。
(もっとも理論もある半面、『迷信』や『言い伝えが』あるのも事実であり、これは株式市場や不動産や他の投資市場と全く同じとも言えますが・・・)

これはあくまでも予想ですが2008年末には以下のような価格になっているかも知れません。

$20 High Relief 金貨

MS65

標準品価格

$ 80,000

(現在$ 55,000)

MS66

標準品価格

$200,000

(現在$ 92,000)

MS67

標準品価格

$400,000

(現在$185,000)